ReversePBKeyLookup

ReversePBKeyLookup では PBKeyTM 一意 ID を入力に用いて住所を検索し、住所マッチングの一部として提供される標準的なあらゆる情報を取得することができます。

PBKeyTM 一意 ID (PBKey) は、Master Location Dataset (MLD) との一致が得られた場合に返されます。これは 12 文字 (+1 個の null 値) から成るフィールドで、特定の住所に対応する永続的な識別子です。PBKey を Pitney Bowes GeoEnrichment データベースの検索キーとして使えば、住所に属性データを追加できます。使用する GeoEnrichment データベースによって異なりますが、属性データには土地所有、不動産物件、国勢調査、個人消費支出、顧客層、地勢、火災・水災対策、通信インフラなど、さまざまな情報が含まれます。

使用事例

このセクションでは、ReversePBKeyLookup の 2 つの使用事例を示します。
  • 最初に、顧客住所リストのデータを矛盾なく正確に管理するためのより効率的な方法を説明します。
  • 次に、GeoEnrichment データ製品から取得した PBKey™ 一意 ID を用いて、顧客の住所に関連付けられた特定の属性に基づき製品やサービスの対象を絞り込み、対象顧客の住所リストを生成する方法を示します。
住所マスター データ管理 (Address Master Data Management)
最新の住所情報や正確な位置情報が使われるようにするために企業は顧客の住所リストに対して定期的にジオコーディングを実行します。多くの計算処理を要するこのプロセスには計算コストをかかりますが、同時に僅かであっても住所マッチングに対する変異を発見する可能性があります。一部の企業にとってこの変異はビジネスに不可欠な要素であるためそれを監視する必要があります。また、さまざまなビジネス機能の間で複数の住所データベースが使われるのはよくあることで、その場合、複数のシステムやデータベースの間で同じ住所を一貫した方法で表現する必要があります。ReversePBKeyLookup では、住所ではなく PBKey™ 一意 ID が入力に用いられるために住所のジオコーディングを繰り返し実行しなくてすみます。住所とともに緯度/経度座標が返されるからです。ReversePBKeyLookup の計算処理はかなり高速で、住所を用いる方法よりも低コストで同じ情報を取得できます。また、PBKey™ 一意 ID は永続性があるので、異なる住所にマッチングする危険もなくなります。
GeoEnrichment データに基づいて住所を特定する方法
GeoEnrichment データ製品はテキストベースのさまざまなデータ ファイルの集合体であり、そこに Master Location Dataset 内の個々の住所について各種の属性が記載されています。1 つ以上の GeoEnrichment データセットに含まれるこれらの属性を使うと、特定の属性で絞り込んだ製品やサービスに対応する顧客を特定できます。これらの製品では検索キーとして住所ではなく PBKey™ 一意 ID を使用します。これにより、1 つ以上の GeoEnrichment データセットに含まれる属性を検討する必要がある場合、複数のデータセットの間で顧客を簡単にリンクできます。例えば、Ground View Family Demographics Fabric を Property Attribute Fabric と組み合わせて使えば、大きな家に住む家族構成 4 人以上の若い世帯といった条件でレコードを検索する PBKey™ 一意 ID のリストを生成できるでしょう。目的の属性を持つレコードを特定した後、ReversePBKeyLookup により、それらのレコードの PBKey™ 一意 ID を用いて該当する顧客の住所や位置情報を取得することができます。

ライセンス

ReversePBKeyLookup を利用するには特別なライセンスが必要です。ReversePBKeyLookup のライセンスは次の 2 段階で構成されています。
  • 標準 - 標準 MLD のすべての住所に対して ReversePBKeyLookup の実行を許可するライセンスです。
  • 拡張 - 住所調達上の制約により追加的な使用料が発生する MLD 部分の住所に対して ReversePBKeyLookup の実行を許可するライセンスです。

必要条件

ReversePBKeyLookup には以下の要件が適用されます。
  • Master Location Dataset (MLD) がライセンス取得済みでインストールしてあること。
  • DVDMLDR データセットがライセンス取得済みでインストールしてあること。
  • MLD データセットと DVDMLDR データセットのヴィンテージが一致すること。

ReversePBKeyLookup の検索結果

ReversePBKeyLookup を使用して得られた検索結果を見ると、入力 PBKey に一致する MLD ポイント住所の多くの派生形にゼロが返されています。指定した PBKey が見つからなければ、一致結果は返されません。多くの PBKey がシングル ポイントレベルの住所にマッピングされるのに対して、マルチ ポイント住所の派生形にマッピングされる PBKey が一部存在します。単一の PBKey からマルチ ポイント住所の派生形が得られるのは次の 2 つのケースです。
  1. エイリアスが一致する場合。通りの一部は通称や一対多数の関係のエイリアスで識別されます。この場合、MLD には通り名のすべての派生形が含まれます。以下に、入力 PBKey (P00008BCG8WM) に対してエイリアスによる複数の一致結果が返される例を示します。
    • AP02. Normal match (non-alias). 1206 W 600 S, FOUNTAINTOWN, IN 46130-9409
    • AP02. Alias match. 1206 W 1200 N, FOUNTAINTOWN, IN 46130-9409
    • AP02. Alias match. 1206 W COUNTY ROAD 1200 N, FOUNTAINTOWN, IN 46130-9409
    • AP02. Alias match. 1206 W COUNTY ROAD 600 S, FOUNTAINTOWN, IN 46130-9409
  2. マルチユニット形態の建物にユニットがある場合とない場合。マルチユニット住所に個別のユニット住所レコードがないことがあります。この状況で検索を行うと、同じ入力 PBKey に対して複数の住所レコードが返され、その中にユニット番号がないものや一連のユニット番号を持つものが含まれることがあります。マルチユニット住所に個別のスイート/ユニット番号がある場合は、それぞれのユニットに固有の PBKey が別々に割り当てられます。次の例は、ある PBKey のマッピング先の建物にユニットがある場合とない場合について、住所の検索結果がどうなるかを示しています。ここで各ユニットは同じ PBKey/位置 (P00003PZZOIE) を共有しています。
    • AP02. Normal match (non-alias). 4750 WALNUT ST, BOULDER, CO 80301-2532
    • AP02. Normal match (non-alias). 4750 WALNUT ST STE 100-103, BOULDER, CO 80301-2532
    • AP02. Normal match (non-alias). 4750 WALNUT ST STE 205-205, BOULDER, CO 80301-2532
    • AP02. Normal match (non-alias). 4750 WALNUT ST, BOULDER, CO 80301-2538

ReversePBKeyLookup のリターン コードとマッチ コード

次の表に、ReversePBKeyLookup 使用時に返されるリターン コードとマッチ コードを示します。

License 入力 PBKey 得られるポイント住所 マッチ コード
拡張 Found 1 つの拡張住所 V000
拡張 Found 複数の標準および/または拡張住所 V001
拡張 Not Found なし E040
標準 Found 1 つの標準住所 V000
標準 Found 複数の標準住所 V001
標準 Found 1 つの標準 + 1 つ以上の拡張住所 V002
標準 Found 複数の標準 + 1 つ以上の拡張住所 V003
標準 Found すべて拡張 E041
標準 Not Found なし E040
ライセンスなし 適用されない 適用されない E000